どっちが シアワセ ?
2015年11月25日 公開

ウエストパプアに滞在中の1コマ。
10キロ程のバラマンディを抱えているのは、我々が滞在した村のオジサン。
朝一で釣りに出て、この獲物を抱えて戻ってきた。そして、村に店を構える仲買のオッサンに、魚を売っていたが、これで10万ルピア、約900円。
舟で5時間ほど移動した、この一帯で一番大きな街で、昼食を食べると、一人、約5万ルピア程度なので、この魚で、ランチ2回分。
ケアンズの場合、バラマンディを魚屋で買うと、キロ30ドル前後。この10キロの魚を3枚におろすと、約2/3が残るとして、少なく見積もって約6キロ、小売りベースで180ドル、ランチ15回分の料金。
小売りと仲買の差があるにせよ、5分の1以下の安値で買いたたかれていることになる。
ニューギニア国境近くの寒村故、魚を保存する為の冷蔵庫や、冷蔵庫を動かすための発電機がなく、ましてや、それを運ぶための輸送手段もなく、必然的に、仲買人に買いたたかれることになる。
ただ、それで不満を抱えているかと言えば、あまりそんな風でもない。
貴重な現金収入かと思ったが、この仲買のオッサンが店番をするお店で、炭酸飲料なぞを、普通に購入。
ちなみに、下の写真の掘立小屋が、悪徳仲買人が店番をするお店。店の中で、終始、映画を流していて、それを眺める子供たち。(映画が客寄せになってる。)
この人たちにとって、現金を手にすることって、あまり重要なことじゃないんだよね、きっと。金は天下の回り物。獲物が余分に取れれば、それを売ってお金に換えて、余分に獲れなければ、それを食べれば、それで十分、生きていける。
村人が、獲物を売って手にした現金は、村人が、炭酸飲料や、インスタントラーメンを購入することで、また、この悪徳仲買人に吸い上げられるという構造らしい。
いいシステムだ。
この店の奥に、大型冷蔵庫が3つもあって、村人が獲ってきた魚やシカの肉をここに保存し、週一回、大型運搬船が、付近の村々を回って、それを回収していく。
この店番をしているオッサンも、実は、大資本家に雇われて、ここで働らいているらしく、あまり好待遇でもないらしい。
金に固執しないで生きてる人たちと、毎日、お金を勘定している人たちと、どっちが幸せかは、判らんけどね。
生きてる環境によるんだろうなァ。

