次回、円は閉じる?

浦戸湾です。
これは、まだ河口寄りの南半分で、この写真手前側には、大小合わせて7つの川が流れ込んでいる北部が広がっています。車で1周すれば、小一時間はかかるような大きな湾です。
ホテルにチェックインし、情報収集のために出かけた釣具屋で、「10年前、アカメを釣ってた頃の話だから。」と前置きして、詳しく話しをしてくれた地元の方の話を参考に、地図を頼りに、予め目をつけていたポイントへ車で移動。
付近に車を止めて、歩きながらポイントをチェックし、また移動。そしてチェック。そんなことをして、時間ばかりが過ぎていきました。
よさそうなポイントでも、道がなく近づけなかったり、護岸が高すぎて、ランディングのしようがなかったり、道幅が車1台分しかなく、車を止めておけなかったりで、ポイントを探し出すのに苦労しました。
「アカメを狙うなら、浦戸湾よりも、川の河口のテトラ周りがいいんじゃない。」というその方の話を信じて、いくつかの川にも出かけてみました。
そこで出会ったのが、写真の青年。

手にしたロッドの先には、20センチ程のクロダイが背掛けされて泳いでいます。
狙いはアカメ。
前日、この場所で、120センチ程のアカメがフッキングし、テトラの奥に逃げ込まれてラインブレイクだったとか。
でも、このポイントでは手持ちのタックルでは無理です。
アカメは足元、水深5メートル程のテトラの下にいるそうで、キャスティングするにも丁度死角になって、ルアーが届かないし、第一、そんなに沈むルアー、ありません。
で、その青年から別の川を教えられ、そこへ移動。
やはりここでも河口には大型のテトラが積みあげられ、ポイントはその脇。
高知にやってくるまでは、正直なところ、サイズは別にして、アカメを釣るのは、あまり難しくないだろうと思ってました。
湾内や川の中のストラクチャーを丁寧に打っていけばチャンスはあるはずと思っていたからです。現に2日目の朝、浦戸湾に注ぎ込む川の河口で50センチ程度のアカメがルアーを追いかけて水面近くまで浮いてきました。
この写真の護岸脇に沈められたブロックのすぐ脇でした。

このブロックの上の浅瀬までルアーをチェイスして来て、直前で反転していきました。
他の川でもキャスティングしてみましたが、川の中ほどは思っていたよりも浅く、大きなストラクチャーは見当たらず、たぶん、大きなサイズのアカメは、日中、テトラや桟橋など大型の人工ストラクチャーの奥深くでじっとしてるだろうと予想されます。(たった3日間の釣行での予想ですけどね。)
アカメのショアベースでのルアーフィッシングというとナイトフィッシングですが、やはり大型のアカメを釣り上げるには、夜、ベイトを求めてストラクチャーから泳ぎだして徘徊しているアカメを狙う以外に方法はなさそうです。
(ボートフィッシングの場合は、他に方法がありそうですが。)
そのアカメが徘徊してくるルートですが、ここでの実釣経験のない私にとっては、地形と潮の流れから予想する以外に方法はありません。
で、2日目の早朝、湾内のある場所へ出かけてみるとルアーアングラーがロッドを振っているのを発見。そのスローリトリーブの様子から、アカメフィッシャーマンに間違いありません。
で、言葉を交わしてみると、やはりアカメ狙いのアングラーです。
その直後、あの「ゴン」です。
この「ゴン」の後、残された時間も限られていたので、そこから後は、このポイント周辺にロックオン。あとは運よくアカメが回遊してくれるのを待つだけだったのですが、結局、このポイントで釣りをしたのは、雨と風に阻まれて、夜の干潮前の3時間だけでした。
これが、今回の釣行のあらましです。
今回、まったく白紙の状態から、いろんな方法で情報収集を行い、少しづつ、少しづつ、アカメへと近づいて行ったわけです。最終的に近づいていたのか、はたまた全くの思い過ごしか、結果が出せなかったのでなんとも言えません。
でも、その過程は、かなり楽しいものでした。
最終日、ガイドフィッシングを依頼しないで、自力で最後まで釣ろうと考えたのも、釣れないなりに、それまでの過程を楽しんでいたからです。
バラマンディーを釣り始めて以来、アカメのことは意識していましたが、それがやがて、自分で釣ってみたいという確たる欲望になり、ついにここまで来ました。
今回は結果が出せませんでしたが、また来年、あるいは再来年、浦戸湾でロッドを振りたいと思っています。
今度は、ロッドが弓なりにしなってくれればいいのですが。
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