DAY6 撤収
2009年10月30日 公開

6日目。
前日から続いた強風のため、波がかなり高くなっているのが、アンカーリングしたリーフの内側からも確認できる。
前夜、IONA(他船)と舫をとって2隻を横付けしたままで就寝したが、強風の為、舫が一本切れてしまい、夜中、ボートを離して別々にアンカーリングするというアクシデントも発生。
予報では最大30ノットと伝えていたが、実際は、それ以上の風が吹いているようだった。
で、結局、この日はリーフの外での釣りは諦めて、インリーフで、小型のブラック、あるいはセイルフィッシュを狙うことにする。
午後1時過ぎまでトローリングを行うが、リーフ内も波が高く、そのため水が濁ってしまい、釣れたのはロングテールツナ、カツオ、サワラ、GT、ツムブリなど小物ばかり。
ベイトフィッシュだけに終始してしまいそうだったので、早めに切り上げて、2時頃、クックタウンに入港。
後で確認したら、風は35ノット以上まで上がったらしく、とても釣りのできるような状態ではなかったらしいが、60フィートクラスの大型艇は、それでも何艇か出船していたようだ。
ふだん、強風の際は、強風を理由に25ノット程度の風でもすぐに出船中止にするくせに、こと、マーリンフィッシングに関してだけは、どのボートキャプテンも、強風の中で出船することになんのためらいも見せない。
まさに、クレージーアングラー。
ちなみにこのクックタウンは、キャプテンクックが世界一周航海の途上で、川の河口にボートを乗り上げてしまい、その修理のためしばらく滞在した場所です。このボートはエンデバー号という船名で、今では、クックタウンに注ぎ込む川がエンデバーリバーと呼ばれています。

今回、6日間の釣行を終えて思ったこと。
4日目の900ポンド、5日目の250ポンドの映像でも確認できますが、マーリンがバイトしてからベイトを飲み込ませるために、リールをフリースプール状態にして、ボートをニュートラルか、かなりの低速にして時間をとります。
そしてドラグを少し上げて、ラインを巻き取り、ラインにテンションが掛かったのを確認してから、さらにドラグを上げ、ボートを走らせて、飲み込まれたベイトを引きずり出して口角にサークルフックが掛かるようにします。
このときに、130ポンドという太いラインの感覚だけで、魚の動きを感じ取るのは至難の業です。
最初のバイトで、一気にベイトを飲み込んで反転し、ボートから泳ぎ去って行く状況であれば、ことは簡単ですが、いつもそうとは限りません。
1つのベイトを飲み込んで、その隣の別のベイトにアタックしてくる場合もあります。
バイトしてから、反転せず、そのままボートの方に近づいてくるマーリンもいます。
一旦バイトしても、吐き出してしまい、そのままベイトの周りをウロウロしているような場合は、それと解らず、リールをフリースプールにしていれば、ベイトが水中に静止してしまうので、魚がベイトに対する興味を失ってしまい、どこかに行ってしまいます。
ベイトがまだ口に入っていないと判断すると、ドラグを多少上げて、リールを巻き取るか、ラインを自分で手繰り寄せて、ベイトを泳がせてやる必要があります。
もし、それでもダメなら、ボートキャプテンにボートを走らせるよう指示する必要が出てきます。
この辺りのやりとりは、通常の餌釣りと変わりません。
それを、大人がぶら下がっても折れないような太いロッドと、130ポンドライン、あるいはボートを操って行うわけです。
フッキング率を上げるには、とにもかくにも、この当たりの際の的確な判断と、すばやい行動にかかっています。
こんな釣りは、普段、練習するわけにも行かず、イメージトレーニングをするしかないのですが、太いラインを伝わってくる僅かな感触から、どれだけ真実に近いイメージが頭の中で描けるかがポイントのような気がします。