パプアニューギニア釣行 2009年8月 -その5-
2009年09月05日 公開

この恰幅のいい紳士2人は、今回、釣行を実施した地域の、いうなれば町長さんです。各村には、それぞれ村長と呼べるべき人物が居て、その各村の村長を統括する立場の人物です。
右側の男性は、フィッシングロッジのある地域の長で、ジェシー。左側の男性は、それに隣接する地域の長で、ベン。
もともと、ここでのフィッシングオペレーションは、ガイドのジェイソンが自分の趣味で何度か釣りに訪れている内に、彼らから、アングラーの誘致を請われて、オペレーションを始めたのが最初です。
その為、アングラーの受け入れに対しては、彼らの全面的なバックアップが得られます。私たちの滞在中にも、各村の村長が集まって、そのためのミーティングが開かれてました。
車で5時間も走れば、パプアニューギニアの首都、ポートモレスビーですが、この辺りは、インフラの整備が全くなく、殆ど、昔ながらの生活を送っている人たちばかりです。
自然に生えているビルナッツの実を、ポートモレスビーに持って出て、マーケットで販売して得られるわずかながら現金が彼らの唯一の現金収入を得る方法です。
ただ、普段の生活に関しては、食料は、殆ど、周囲の自然の中から手に入るので、生活するにはほとんど困りません。
ちなみに、こ地域では、サゴヤシから取れるデンプン質が主食となります。釣りに出発する時間帯が朝餉の用意をする時間で、実際私も食べてみました。デンプン質特有のモチのようなネバリのある食べ物でしたが、なにやら木の繊維を食べいるような味で、決して美味しいものではありませんでした。
下の写真は、朝食用にサゴヤシのデンプン質をパンケーキのように焼いている様子です。

ジェシー曰く、彼らの食生活は、サゴヤシ、イモ、魚、その他の野菜など、周囲の自然環境により支えられていて、調味料となる砂糖や塩が購入できる程度の現金収入があれば、十分やっていけるとのこと。
政府の人間は、サゴヤシの木を切って、木材を植林し、それで現金収入を得るよう奨励しているが、彼自身は、サゴヤシを含む付近の自然は、そのまま守って行きたい。
そして、その自然を破壊しないで、ある程度の現金収入をもたらす道は、釣りやバードウォッチングなど、エコツーリズムに沿ってツーリストを受け入れていく方法が、一番ベストな方法だと思っているとも言ってました。
このジェシー、我々が隣村の川の河口に釣りに出かける際、我々に同行してくれて、そのエリアの長であるベンのところまで挨拶に出向き、我々が、このエリアで釣りが出来るよう、取り計らってくれたのでした。
ま、社交辞令もあるのでしょうが、日本人は、その伝統や文化を守りつつ、先端技術を作り出す、ほんとうに見習わなければならない国の一つだ、なんて言ってました。
このときのお礼に、ジェシーに釣れた魚を進呈しておきました。これでジェシーの日本人に対する心象は、更にアップしたはずです。

今回の釣行は、9月発売の「シーバスマガジン」に掲載予定です。詳細は、そちらで。