パプアニューギニア釣行 2009年8月 -その7-
2009年09月08日 公開

いや~、参りました。完敗です。素直に「ゴメンナサイ」って謝りたくなるくらいです。
3日目の午後、モンスターバラマンディー狙いの河口で、殆どポイントを打ちつくし、最後数投でストップフィッシングというところでした。
いつものコーナーめがけてキャストし、2、3回トゥイッチを繰り返した後、「ゴン!!」という当たり。
バンク際に入れたルアーが、ゆっくりとバンクから離れ、ラインもそれについて、川の中央の流心へ。
こっちは、最初から20キロクラスのバラマンディーをターゲットにしているので、リールのドラグセッティングも、それなりに調整したのに、そのリールから、何の強弱もなく、テンションの掛かったラインが一定のスピードで、ゆっくりと引きずり出されていきました。
このとき、とっさに浮かんだのは「40ポンド?、いや50ポンドクラスのバラマンディー!?」。
ラインが引き出され始めてから数秒後、ロッドをゆっくりと引き上げて、魚とのファイトをスタートしようとしたとたん、いきなりラインテンションが途切れました。
「えーーーーーーーーーーッ、バレた? なんでーーーーーーー!」さっきの興奮はどこへやら、一気に奈落の底に・・・・・。
奈落の底に急降下しながらラインを回収していいると、テンションが緩んでしまったラインが、いきなりピンと張って、今度は、海のほうへ向かって、水を切り裂きながら一直線です。
「ギュイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン。」。
バラマンディーとは全く違う、新幹線のような走り。
「ナンジャコリャー!!!!」状態ですわ。
20メートル以上ラインが引き出されるのに、ほんの数秒で、ほんと、スプールがやせ細っていくのを見てるしかありませんでした。
そのときガイドをやってくれていたブリちゃんに「チェイス!!、チェイス!!」と叫んでみたものの、停止したエンジンを始動させて、ボートの向きを変えてなんてやっていて、間に合う訳がありません。
50ポンドのPEラインが、水底の岩に触れて、なんのテンションも感じないまま、途中からプッツリです。
完敗でした。
この怪物君、コンクエスト300に巻いた5号PEで何とかなるんじゃないかと、密かに思っていたのですが、とんでもございません。
ガイドのジェイソンが、「ドラグは10キロ以上は要るからね。」といった理由を実感しました。
このポイントでは、過去に何度か、怪物君が釣れたことがあると聞いてましたし、現に、この2時間ほど前には、別のアングラーにそれらしき魚が掛かって、両方の親指でベイトリールのスプールを押さえに掛かりましたが、ラインが出るのを止められず、ラインブレイク。
でも、よりによって、またそいつが私のルアーにアタックしてくるなんて、完全に想定外でした。
最初からそいつだと解っていたら、効果があったかどうかは別にして、ドラグを目いっぱいまで閉めて、親指で力任せにブレーキを掛けたと思うのですが、最初、バラマンディーだと思ってしまったのが敗因でした。
バラマンディーは、ジャンプもすれば、あっち、こっちに走り回って、頭をこちらに向けるチャンスはいくらでもあります。ですから、落ち着いてやり取りをすれば、獲れない魚だとは思いません。
大型バラマンディーとのファイトで、ドラグをロックしてしまうと、その突然のヘッドシェイクやジャンプで、身切れしてしまうか、システムのどこかに急激な負荷が掛かりすぎて、ラインブレイクしてしまうのがおちです。
ところが、この怪物君、バラマンディーとは全く違うファイトをします。そのファイトは、まさに新幹線です。ルアーにバイトしたら、反転して一直線ですから。それも、ストラクチャーの中へまっしぐらです。小さな川の中なので20メートル、いやいや10メートル走られたらアウトです。
まさにバイトした瞬間、ガチンコ勝負で、力でねじ伏せないと獲れません。
今から思うと、ボートでチェイスしたのも敗因です。どうせ走られてストラクチャーに逃げ込まれるなら、ラインブレイク覚悟で、その場でドラグを目いっぱい締めて、ガチンコ勝負に出ないとダメでした。
この怪物君を獲るために、またタックルを一から考え直す必要がありそうです。
オーバータックルになろうが、とりあえず、釣り上げなければなんの話もできませんって。
同行した児玉一樹プロにも、今回、川の上流で、同じような出来事が起こってます。そのときも、一同、唖然とするばかり。
今回の釣行は、9月発売の「シーバスマガジン」に掲載予定です。詳細は、そちらで。