アカメ その1
2009年07月09日 公開

アカメ。
いつかは釣ってみたい魚です。バラマンディーフィッシングで手に入れた知識、テクニックがどこまで通用するか、一度、試してみたいと思ってます。
ケアンズでバラマンディーを釣るようになって、ナイルパーチとかアカメに関しては、特に興味を持って、いろんなインフォメーションに目を通しています。
最近は、村上晴彦さんの「アカメへの挑戦」というDVDが発売になって、アカメブームに拍車がかかっているようで、いろんなサイトで、その情報を仕入れることが出来るようになりました。(このビデオ、実は明後日、入手予定。)
この「アカメ」、宮崎県では、2006年に希少野生動植物の指定を受け、捕獲禁止になり、高知県でも、同様な動きがあるとか。
その中で、「アカメつり大会」などを開催して、アカメの捕獲禁止という事態を避けようという運動の中心的な役割を果たしているのが、長野博光さんという方。「アカメと自然を豊かにする会」の中心人物でもある方です。
「アカメの国」というアカメ専用のサイトを運営されている方で、アカメに興味を持っている方は、殆どの方が、その存在を御存知のはず。
アングラーからすれば、「希少種なのは解るが、(それだけに、その魚が魅力的に感じられ)、捕獲禁止という事態になったら、釣れなくなるじゃないか!!」、というのが正直な感想だと思う。
宮崎県の例を取っても、そういった意見を実際に耳にしたり、読んだりという機会があった。
私自身、捕獲禁止になる前の宮崎で、かなり大型のアカメの釣果報告が頻発していたので、アカメを釣るなら高知よりも宮崎で、なんて考えていたものだから、かなりショックだったのは事実です。
「釣る」ことと、「魚種の保存」というのは、特に希少種に限ってみれば、矛盾する行為なのは明確です。
「釣り」という行為は、その行為自体、魚に対してダメージを与えることはあっても、その魚を守ることには、全く寄与しない。
この相反する行為を、「アカメ釣り大会」は、どいうった形で消化しているのだろうかと思って、今までの経緯も含めて、その背景を確認してみました。
ただ単に、釣り人が「アカメが釣れなくなるのはいやだ。」的な発想から、「アカメは、まだまだ希少種じゃなく、数は多いんだぞ。」というのを証明するための釣り大会かと思っていたからです。
いろんな意見があったものの、次の長野さんの言葉が、この答えのような気がします。
『最後に、条例や規制によって自然を守ることは有効でしょうか? 私たちは最も有効な自然保護はその自然を享受している地域の住民がその重要性を理解し地域の人々が守ることだと思っています。稚魚をとっている人がいたら、そこに住むおばちゃんが「とったらいかんぜよ」と注意するというのが理想です。』
(これは、、「アカメの国」の「つり人によるアカメミーティング」の中のミーティング内での長野さんの発言です。
アカメを守るためには、単にアカメの捕獲という行為を禁止するだけでなく、アカメを取り囲む自然を守ってゆくこと、そのためには、その自然の中で暮らす人たちの意識から変えていく必要があると長野さんはおっしゃってます。
もちろん、保護されるべき種の絶対数が極端に少なくなっている状況下では、「捕獲禁止」という回答が正解なのでしょうが、自然の力でその数を増やすことができる状況下では、その自然を守り育てていく方が、確実で、より永続的な種の保護が可能になります。
長野さんは「釣りは文化だ」とおっしゃってますが、釣りを通して、自然に親しみ、自然の大切さを理解した釣り人だからこそ、その大切さを語ることが出来、その中で暮らす人の意識を変えていくことができるとおっしゃってます。
「アカメつり大会」はタグ&リリースが前提で、捕獲されたアカメのデーターは、今後の活動に役立てられるとか。
この活動が、実を結んで、アカメが「幻の魚」でなくなることを祈ってます。
それにしても、そういった状況下でも、未だに、アカメをキャッチ&イートしている方や、それをサイトに掲載している方が見受けられるのは、残念です。